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【体験談】御船山楽園ホテル「らかんの湯」宿泊レポ|サウナシュラン殿堂入りの薪サウナとは?

こんな方におすすめ

  • 九州でサウナ旅を計画している
  • サウナも温泉も両方楽しみたい大人の癒し旅を求める
  • サウナシュラン三冠の“聖地”を体験したい本格派サウナー
  • カップルや夫婦で非日常の“ととのい空間”を楽しみたい方
  • 自然・アート・リラクゼーションが全部揃う宿を探している

【本記事の信頼性】
 ・サウナスパ・健康アドバイザー
 ・Yahoo Japan クリエイター
 ・X(Twitter)フォロワー 5,900人以上
   ( ゆー@サウナ好き|サウナメディア運営
 ・サウナ250施設 訪問
 ・サウナ歴5年
 ・都内を中心に週に2~3回サウナ活動
 ・全国 サウナ旅経験あり
 ・フィンランド サウナ旅経験あり

サウナに行ってみたい人

サウナシュラン三冠の“聖地サウナ”って、一体どんなところなの?

佐賀・武雄温泉の御船山楽園ホテルにある「らかんの湯」に泊まってきたよ。
まさに“サウナの理想郷”だったから、宿泊者だけが味わえる魅力をたっぷりお届けします!

ゆー

今回ご紹介する御船山楽園ホテル「らかんの湯」は、“サウナ × 温泉 × 自然 × アート”が融合した、まさに“聖地”と呼ぶにふさわしい場所。

サウナ、宿泊、サービス、自然、グルメ…どれをとってもハイレベル。それもそのはず。ここはなんと、サウナシュランで3年連続グランプリを受賞した“ととのいの聖地”なんです。

佐賀・武雄温泉のとろける湯、御船山の圧倒的な自然美、そして瞑想空間のようなサウナ設計。すべてが計算しつくされた空間で、人生最高クラスの“ととのい”を味わえました。

男性側は黒基調のメディテーションサウナで、ほうじ茶ロウリュ自然音に包まれながら深い没入。女性側は白基調のアロマドライサウナ&薬草スチームサウナで、香りと蒸気の癒しを堪能。そして、16〜17℃に冷却された温泉水の水風呂御船山の自然と一体化する外気浴と、全てが“ととのうため”だけにデザインされた動線と空間で構成されています。

さらに、プライベートサウナ付き特別客室や、チームラボによるアート展示もあり、旅そのものが“癒しと感性の旅”になるのも、らかんの湯ならでは。

ここは、人生で一度は訪れたい、サウナの極地。“ととのいの本質”を味わいたいすべての人に、らかんの湯をおすすめします。

御船山楽園ホテル らかんの湯の基本情報

御船山楽園ホテルは、佐賀県武雄市の名勝「御船山楽園」の敷地内にある、四季折々の自然と一体化した極上の宿泊施設

この大自然の中にある「らかんの湯」は、“サウナ・温泉・アート・自然”が高次元で融合した特別な空間です。

サウナシュラン三冠を誇る“聖地”として、全国のサウナ好きなら知らない人はいないほど有名で、憧れの存在

ゆー

ドラマ「サ道」でも登場し、サウナシュラン三冠。実際どんな施設なんだろうと思っていましたが、別格の施設でした。

ゆー

サウナ旅で行きたいオススメエリアは以下の記事でまとめています。

最寄り駅はJR「武雄温泉駅」で、そこからタクシーで約5分。長崎自動車道「武雄北方IC」からは車で約15分と、電車でも車でもアクセスしやすい立地です。敷地内には無料駐車場を完備しているので、ドライブ旅行にもぴったり。

前日までの予約で、武雄温泉駅からの無料送迎サービスも利用可能です。

ゆー

それでは、らかんの湯の施設情報をわかりやすく表にまとめていきます。

項目内容
施設名御船山楽園ホテル「らかんの湯」
住所〒843-0022 佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100
アクセスJR「武雄温泉駅」からタクシーで約5分/長崎道「武雄北方IC」から車で約15分
電話番号0954-23-3131
営業時間日帰り:完全予約制(時間変動)/宿泊者:滞在中利用可能(男女入替制)
料金日帰り:3,850円〜(時間制)/宿泊者は無料利用可
駐車場無料駐車場あり(予約不要)
併設施設サウナ、大浴場、露天風呂、喫茶室、チームラボ常設展示、展望休憩室、プライベートサウナ付客室

御船山楽園ホテルのロビーに足を踏み入れた瞬間、まず感じたのは“非日常の入り口”に立ったような感覚。

アートと自然が静かに調和したその空間には、チームラボによる「森の中の、呼応するランプの森とスパイラル」が展示されていて、御船山の四季を映す光と音が、訪れる者の心をゆっくりとほどいてくれます。

らかんの湯の大浴場は、男性・女性それぞれでまったく異なる世界観に仕立てられていて、空間に流れる空気感すら違うと感じました。さらに、プライベートサウナ付きの特別客室では、1〜2名だけの静かな“ととのい時間”を楽しむこともできます。

このホテル全体に共通して感じたのは、「自然に帰る」「自分を取り戻す」というテーマが、さりげなく、でも確実に息づいていること。

五感をゆっくりとひらいていくような、そんなサウナ体験を——ここ御船山で、ぜひじっくり味わってみてください。

ゆー

入り口は和の雰囲気なのですが、ホテルの中に足を一歩踏み入れると世界観が一変!そのギャップにすごく驚きました。

ロビーでは、「EN TEA HOUSE 応灯楼」によるお茶と和菓子のセットが楽しめます。

提供されるのは、「EN TEA」の水出し緑茶や柚子緑茶など数種類の香り高いお茶と、和三盆などの繊細な甘さが広がる和菓子。
幻想的なチームラボのアートに包まれながら、光と影が揺れる空間でいただくお茶時間は、日常の喧騒をすっと忘れさせてくれます。

サウナ・大浴場 〜“サウナシュラン三冠”の実力を体感〜

客室フロアから「らかんの湯」へ向かうには、黒塗りの廊下と森に囲まれた通路を進む、ちょっとした“旅”のようなアプローチがあります。
足元は静かな絨毯敷きで、ひと足ごとに外の光が遠のいていく。
その先に見えてくるのは、杉の香りがほのかに漂う、長い階段と静かな空間。

道中にはほんのりとお香のような心地よい香りが漂っていて、自然と呼吸が深くなっていく感覚に包まれます。
湯のれんの先に広がる世界へ向かうその時間さえも、もう「ととのい体験」の一部。
そんな気持ちにさせてくれるアプローチです。

SAUNACHELIN(サウナシュラン)2019・2020・2021の三年連続受賞プレート。さらにその横には、殿堂入りを意味する「HALL OF FAME」の文字も掲げられていて、ただの人気施設ではないことを静かに物語っています。

男性側サウナ室

男性側の浴室には、雰囲気の異なる2種類のサウナが用意されています。

ひとつは静けさの中に深く入り込んでいくドライサウナ、もうひとつは熱気と蒸気が全身を包むスチームサウナ。まったく異なるサウナ室はどちらも最高でそれぞれ“ととのう”時間へ導いてくれます。

ゆー

後に紹介する薪サウナ室も含めて、どのサウナ室も最高レベルでした。

静けさに包まれるメディテーションサウナ

照明を抑えた落ち着いた空間に、自然光がほんのり差し込む約85℃のドライサウナ。 サウナストーブを囲むように配置されたベンチとセルフロウリュ可能な設計で、自分だけのリズムで“ととのい”を深めていけます。

ロウリュは嬉野産のほうじ茶で。ほうじ茶の香りがとても強く感じられるサウナ室です。

視界が閉ざされた静かな空間で、香りと熱と向き合いながら、深い“無”に入り込んでいく時間はまさに格別。

ゆー

床がしっかり熱を帯びるので、施設内にあるサウナマットは敷いておくことをおすすめします。

薬草香るスチームサウナ

もうひとつのサウナは、地元産の薬草を使った濃密スチームが体を包み込むスチームサウナ。 温度は高めで、体感的にはかなり熱く、視界が真っ白になるほどの蒸気が立ちこめます。

ゆー

個人的に、このスチームサウナがすごく好きでした。立ち込める蒸気に視界がすっとかすんでいって、あたりはほとんど真っ白。薬草の香りとしっとりした空気が、静かに体に沁み込んでくる感じがしました。

室内は黒を基調にした空間で、自然光と控えめな照明が交差する幻想的な雰囲気。 薬草は専属ブレンダーがブレンドしており、その香りに包まれることで、心まで深く浄化されるような瞑想的な時間が流れます。

スチームの熱が強い分、短時間でもしっかり発汗できる本格派。 まさに、ただのリラックスではなく、“ととのいに向かう意志”を持って入るべき一室です。

女性側サウナ室

女性浴室には、ドライサウナと薬草スチームサウナの2種類が用意されています。雰囲気や設計は男性側とは異なり、やわらかく、やさしく、ととのいへと導かれるような空気感。その空間全体に漂う「包まれる感覚」が、なんとも心地良いです。

白くやわらかな光に包まれるドライサウナ

室温は約80℃、白を基調とした明るい空間で、どこか「かまくら」の中にいるような雰囲気。 やさしい自然光が差し込んで、外の季節感もほんのり感じられます。

▲公式サイトより引用

最大の特徴は、キューゲル(アロマボール)を使った“カクテルロウリュ”。 ひば・みかん・和はっか・薔薇など、選ぶ香りによって空間の印象がガラリと変わるのが楽しくて、 ストーンの上で溶け出すたびに、ふわっと広がる香りが「香るととのい」を運んでくれます。

自然光と薬草に癒されるスチームサウナ

スチームサウナは、白を基調にしたガラス張りの天井が特徴。 そこから差し込むやわらかな自然光と、立ちこめる薬草スチームの組み合わせがとにかく美しい。

薬草は地元産のものを使用していて、香りは濃厚だけどくどくなく、すっと呼吸が深くなる感じ。 ミストの粒がとても細かくて、肌にふわっとまとわりつくような感触も印象的でした。

蒸気がしっかり効いているから、“肌をいたわりながらしっかり整える”にはぴったり。サウナが苦手だった人にもぜひ試してみてほしい、そんなサウナです。

男女どちらも楽しめる、巨大薪サウナ

「らかんの湯」を訪れたら、絶対に体験してほしいのが薪サウナ。 男女それぞれの浴室からアクセスできる別棟にあり、中央には世界最大級とされる巨大な薪ストーブが据えられています。

このサウナ、構造がとてもユニークで、ストーブは共有だけど空間は壁で仕切られていて、お互いの姿は見えない設計。 熱と香りは共有しつつ、プライベート感はしっかり保たれている。そんな絶妙な距離感がすごく好きでした。

薪のストーブは横2m×縦1.8mの圧巻サイズで、近くで見ると本当に大きい! ロウリュは吹き抜けを通して柄杓で行うスタイルで、ジュワッと音を立てて広がる蒸気が、5段階の座面にふんわり届きます。

薪がパチパチとはぜる音、ほんのり香る木の香り、身体の芯に届くようなやわらかな熱—— そのすべてが「ととのう」ために完璧に揃っていて、思わず何度も入りたくなる魅力があります。

私は夜に入ったんですが、ストーブの灯りだけがぼんやり揺れていて、まるで物語の中に迷い込んだような時間でした。 「千と千尋の釜爺みたい」という口コミも納得の、幻想的でエネルギーに満ちたサウナです。

男性側の水風呂

男性浴室には、2種類の水風呂があります。 どちらも武雄温泉の源泉をチラーで冷却して使用していて、水道水とはまったく違うやわらかい肌触り。 サウナの熱をきれいに中和してくれる、極上のクールダウン体験が味わえます。

ゆー

男性側から順にご紹介します。

外気と自然を感じる、露天の水風呂

ひとつ目は、露天風呂エリアにある水風呂。 水温は約16℃に設定されており、しっかり冷たいのに、温泉らしいとろみがあってやさしい肌あたりが特徴です。

御船山の木々を眺めながら、全身を水に沈めると、じんわりと心拍が落ち着いていく。 その感覚がなんとも心地よくて、「整う」というより、自然とひとつになっていくような感覚に包まれました。

誰にも邪魔されない、地下の静かな水風呂

もうひとつは、地下に設けられた“プールのような水風呂”。 広々としていて、深さもしっかりあり、足を伸ばしてゆったりと浮かぶように浸かることができます。

人が少ない時間帯に入ったのでとにかく静か。。 照明もやわらかくて、天井が高く、どこか神聖な空気すら漂う空間でした。

水風呂の他にも、オーバーヘッドシャワーが完備されていて、汗を流してから入れるのも嬉しいポイントでした。

女性側の水風呂

女性浴室には、全部で3種類の水風呂が用意されています。 どれも武雄温泉の源泉を冷却して使用していて、水質のやわらかさは格別。 使いやすさと導線の良さ、そして自然との一体感を大切にした構成で、 サウナ→水風呂→外気浴の“ととのいループ”が自然と整うようにデザインされています。

露天エリアに広がる開放的な水風呂

まずひとつ目は、露天風呂エリアにある開放感たっぷりの水風呂。 水温は約17℃とややマイルドで、冷たすぎず入りやすいのがうれしいポイント。

真っ白な壁と御船山の緑が美しく対比していて、入るだけでちょっとしたリトリート気分。 デザインも清潔感があり、写真を撮りたくなるようなフォトジェニックさもあります。

季節や時間帯によっては虫との遭遇もあるけれど、それすらも自然と共存してる感じがして、私はむしろ好きでした。

スチームサウナ奥の“ひとり時間”向きの水風呂

もうひとつは、薬草スチームサウナのすぐ奥に設けられた水風呂。 こちらはややコンパクトなサイズ感で、ひとりで静かにととのいたいときにぴったりです。

岩に囲まれた“自然一体型”の水風呂

そしてもうひとつ、薪サウナのすぐそばに設置された岩囲いの水風呂も見逃せません。 まるで自然の中に作られた湧き水のような佇まいで、岩肌と水面のコントラストがとにかく美しい…!

薪サウナでしっかり熱を入れたあと、そのまま外に出てこの水風呂にダイブすると、 視界に映るのは木々と空、そして岩に反射する陽の光。 五感が一気に自然モードに切り替わって、言葉にならない多幸感が押し寄せてきます。

温度は他の水風呂と同様に約17℃前後。だけど、開放感と野趣に満ちた雰囲気のおかげで、 体感的にはもっとキリッと冷えているように感じられました

岩の縁に腰をかけて、ぼーっと空を見上げる時間が最高で… 私的には、この水風呂が“女性側のベストスポット”だったかも。

オーバーヘッドシャワーがついていて、汗を流してからそのまま入れるスムーズな動線。 湿度の高いサウナから直行できるのがとても快適で、短時間でも深くリセットされる感覚がありました。

男性側の外気浴 〜御船山の自然に溶けこむ、深呼吸の時間〜

サウナと水風呂で熱と冷たさを味わったあとは、“ととのいの完成形”ともいえる外気浴。 御船山楽園ホテルの男性側外気浴スペースは、まるで森の中にそのまま置かれたような感覚になる設計になっています。

ウッドデッキやベンチ、チェアはゆったりと間隔を取って配置されていて、 誰とも視線がぶつからず、まるで一人きりの時間を許されたような安心感。 周囲を見渡せば、御船山の木々がざわめき、鳥の声や風の音が静かに流れています。

特に、水風呂からそのまま自然に向かって歩いていくような導線がとっても心地よくて、 何も考えず、ただ深く呼吸するだけで「いま、整ってるなあ…」って実感がふわっと湧いてきます。

夜にはライトアップされた庭が幻想的に浮かび上がり、日中とは違う“ととのいの景色”が広がります。 炎のアートや焚き火の揺らめきに包まれながら、静かな解放感に身を任せる時間は、まさに格別。

“外気浴って、こんなに気持ちよかったっけ?”と、思わず初心に返るような、 原点回帰の「ととのい」がここにはあります。

外気浴スペースの横には、静かな屋内休憩室も用意されています。 木をふんだんに使った温もりのある空間は、自然の呼吸がそのまま続いているかのような、やさしい静けさ

リクライニングチェアが並び、やわらかな間接照明と落ち着いた香りに包まれて、 “ととのう”というより“心を戻す”ための場所のように感じました。

中には音楽や映像がいっさいなく、ただただ無音の時間が流れているだけ。 その静けさが、かえって贅沢に思えるくらい。 サウナ後の高揚を鎮めながら、感覚をリセットするような「空白のひととき」を味わえます。

水風呂を出て、階段を少し上がった先に広がるのが、男性側専用の屋内外一体型リラックススペース

重厚な黒木の空間に、やわらかな間接照明。奥には透明のチェアとウォーターサーバーが静かに佇み、 最初の一歩から、すでに“心を鎮めるための場所”としての空気が漂っています。

一番の見どころは、全面ガラス張りのテラスラウンジ。 外の緑をそのまま映し込むようなガラスの壁と天井の向こうには、御船山の森が圧倒的な存在感で広がります。 まるで自然にそのまま溶け込んだような、“ととのいの終着点”のような場所です。

中央には丸く切られた薪ストーブが設置されていて、炎のゆらぎを眺めながら過ごす時間がなんとも贅沢。 サウナの熱でも水風呂の冷たさでもない、“火のぬくもり”に包まれることで、 心の深い部分までじわ〜っと整っていくような不思議な感覚がありました。

テーブルの横には、フルーツやハーブを漬け込んだデトックスウォーターが3〜4種類ほど並んでいて、 どれも見た目がきれいで、飲んでみるとほんのり甘くて、喉にやさしく染みわたる味。

さらに、数量限定で自家製のなめらかプリンも提供されていて、これがまた感動レベル。 甘さ控えめで、とろけるような食感が、サウナあがりのカラダにやさしく沁みていきます。

そのほかにも、ドライフルーツかんころもち(干し芋の和スイーツ)など、 ちょっとしたおやつも自由に楽しめて、まるで上質なホテルのラウンジビュッフェのような充実ぶり

炎のゆらめきを眺めながら、好きなドリンクを片手に、ただぼーっと過ごす時間。最高でした。

なかでも私がいちばん心に残っている外気浴スペースがここ。 地下水風呂のちょうど真上に新設された、焚き火と大自然に包まれる特別な整いエリアです。

黒い囲いの奥に、ひっそりと置かれた大きな焚き火台。 パチパチと薪がはぜる音、立ちのぼる煙、木々のざわめき… ここにはBGMも照明もない、ただ自然と火だけがあるという贅沢な時間が流れています。

水風呂で冷えた身体に、焚き火の熱と匂いがじわっと染み込んでいく感覚は、 サウナとはまた違った“原始的な整い方”で、五感が開いていくような感覚に包まれました。

今回は春にお邪魔しましたが、特に秋冬の季節は、空気が澄んでいて、火のぬくもりがより一層染みそう。ここだけでももう一度来よう、そう思わせてくれる場所でした。

女性側外気浴

女性用の外気浴スペースは、浴室内と露天エリアの両方に設けられており、その時の気分や天候に合わせて選べます。

外気浴スペースの入り口は、サウナエリアから少し奥まった場所にありました。 黒い壁の細い通路を抜けていくと、視界が一気に開けて、目の前には濃い緑と木のテラス。 初めて立った瞬間、空気がすーっと変わった気がして、思わず深呼吸したのを覚えています。 とにかく静かで、風の音しか聞こえない。これだけで、十分でした。

中には1〜2人が静かに過ごせるような、小さなラウンジスペースが用意されていて、 白いリクライニングチェアに体を預けて火を眺めているだけで、すごく落ち着きました。 テレビも音楽も何もないのに、ここまで気持ちが整うってすごい。 ロウリュの熱気や水風呂の冷たさが、ちょうどよく身体の奥で余韻になって残っている感覚でした。

外気浴エリアの中でも、特に印象に残っているのがこの円形のウッドデッキスペース。 中央には薪がくべられた焚き火台が置かれていて、パチパチと薪が燃える音がずっと耳に心地よかったです。

サウナや水風呂で火照った身体を、焚き火のぬくもりと静けさで“ととのえ直す”ような感覚。 しかもこの場所、日中も夜もまったく雰囲気が違っていて——

昼は木々の緑と空の明るさに包まれて開放的、 夜になると足元の灯りと焚き火の炎だけが浮かぶように揺れていて、完全にチル空間でした。 ここに座ってるだけで、“サウナに来てよかった”って心から思える。そんな場所でした。

特に夜の静けさと灯りの感じがすごく好きで、 焚き火の音や虫の声が遠くに聞こえる中、整ったあとの余韻をじっくり味わえる時間でした。 “またここに戻ってきたいな”って自然に思えた、そんな場所です。

男性側浴室

浴室に入ってまず驚いたのが、室内に本物の木が生えているようなこの空間。 まるで森の中に足を踏み入れたような感覚で、思わず立ち止まってしまいました。 湯に浸かると、木のぬくもりとやわらかな光が天井から差し込んでいて、 ただのお風呂じゃない、特別な“癒しの場所”としての設計をすぐに感じられます。

木を中心に広がる湯船は、お湯に浸かっているだけで自然の一部になったような不思議な気持ちに。 視線を上げると、窓の外には深い緑が広がっていて、季節の移ろいまで感じられそう。 あえて照明が控えめにされていて、明るすぎない落ち着いた空間もとても心地よかったです。

露天エリアに出ると、ふわっと空気が変わるのがわかります。 湯気の向こうに見える緑と、肌に触れるひんやりした風が絶妙で、 深く呼吸するたびに身体の奥からリセットされていくような感覚。 昼間は自然光、夜はライトアップが入り、どの時間帯でも絵になる場所です。

お昼の時間帯に訪れた露天風呂は、まさに自然とつながるような開放感に満ちていました。 湯けむりの向こうに広がる御船山の緑がとても鮮やかで、 晴れた日のやわらかな光が湯面に反射して、まるで水の上に浮かんでいるような感覚。 外のベンチでのんびりと風を感じながら過ごす時間も、すごく贅沢でした。

女性側浴室

朝の静けさの中で入った女性浴室の内湯。 大きな窓から差し込むやわらかな光と、目の前に広がる深い緑に心を奪われました。 お風呂は入りやすい温度で、じんわりと体の芯から温まる感覚。 サウナで火照った身体を、ゆっくりリセットしてくれる場所でした。

少し奥まったところにあるこのエリアは、静かに湯けむりが立ちのぼっていて、幻想的な雰囲気。 視界がぼんやりするほどのスチーム感で、自然と深呼吸したくなる空間でした。 椅子に座って、ただ目を閉じるだけで心がふわっと軽くなる、そんな時間。

夜の時間には、照明が美しく施された円形のデッキスペースが浮かび上がり、 まるでアートの中にいるような佇まいを見せてくれます。 外の自然と調和するような優しい灯りが、夜ならではの特別な“ととのい”を演出してくれそう。

岩造りの床と間接照明に包まれた空間は、しっとりとした上質さを感じさせます。 湯船の向こうに見える庭のライトアップも美しく、 日中とはまた違った、静かで深い癒しの時間が流れていそうな雰囲気でした。

館内設備

OND HOTELの館内設備は、サウナ愛好者から初心者まで、すべてのゲストが快適に過ごせるよう細部まで配慮されています。特に女性に嬉しいアメニティや、サウナ後のリラックスタイムを充実させる設備が整っていました。

アメニティ&備品|女性に嬉しい充実のラインナップ

「らかんの湯」の脱衣所エリアには、落ち着いた和モダンな内装とともに、丁寧に整えられたアメニティが揃っています。
脱衣カゴやロッカーも十分な数があり、荷物の整理がしやすく、サウナ後もストレスなく過ごせるつくり。

アメニティも充実しており、女性用にはクレンジング・化粧水・美容液・乳液・コットン・綿棒・ヘアゴム・ヘアブラシ、ドライヤーは風量のある「ReFa」「ダイソン」などが設置されていて、肌や髪を労わりながら身支度ができます。男性用にもスキンケアセットやワックス、ヘアリキッドなどが備えられ、細やかな配慮が感じられました。

フェイスタオル、バスタオルは浴場前で自由に交換可能なので、何度サウナに入っても常に清潔な状態を保てるのも◎。バスローブも貸出されているので、外気浴スペースまで移動する際も快適です。

さらに、湯上がり後にくつろげる休憩スペースでは、温かいほうじ茶や冷水がセルフでいただけるのも嬉しいポイント。

空間自体が静かで落ち着いていて、宿泊のチェックイン前やサウナ後のリセットタイムにもぴったり。

サウナ付き客室 206号室

“ドラマ『サ道』のロケ地”としても登場した特別室

この206号室は、サウナ好きなら誰もが知る名作『サ道』のロケ地としても登場した聖地のひとつ。廊下に足を踏み入れた瞬間から、あのシーンの記憶がよみがえり、思わずテンションが上がります。

ゆー

今回その206号室に宿泊してきましたので、体験をシェアさせていただきます。

チェックインを終えて部屋へと向かう廊下は、照明が柔らかく、音も少なくとても静か。シンプルで上品な空間に自然と気持ちが落ち着き、これから始まるサウナ体験への期待感がふくらみます。

ここは、ドラマ『サ道』のロケ地としても使われた特別な部屋。サウナーなら一度は泊まってみたい“あの206号室”に、ついに宿泊できました。

部屋に入った瞬間、目の前に広がる大きな窓と、その向こうの緑豊かな風景に思わず声が漏れました。窓辺にはローチェアと丸テーブルが置かれ、外の景色をゆっくり眺めながら過ごせるように設計されています。

客室全体は白を基調にした内装で、天井や壁のカーブが独特のやわらかさを生み出しています。余計な装飾がないぶん、素材や光のコントラストが際立っていて、居るだけで心地よい空間でした。

天井の一部には木材が使われており、コンクリートとのバランスも絶妙。無機質になりすぎず、どこかぬくもりのある空気感が流れていました。サウナ後のリラックスタイムにもぴったりな雰囲気です。

窓辺のソファスペースはとても使いやすく、読書やスマホで音楽を流しながらのんびりと過ごすのに最適。滞在中、サウナ後はほとんどここで横になって休んでいました。

洗面スペースはコンパクトながら洗練されていて、使い勝手がとても良かったです。鏡や照明の配置が工夫されており、朝の身支度もスムーズにこなせました。

アメニティも豊富で、特にスキンケア用品が充実しているのが印象的。化粧水や乳液だけでなく、美容液やパックまで用意されていて、女性にとってはかなり嬉しいポイントだと思います。

ドライヤーは風量のしっかりしたタイプで、使いやすさも◎。普段使っているものと変わらないレベルだったので、荷物を減らしたい人にも安心です。

さらにグラス類やティーセットも上品なセレクトで、お茶の時間さえも丁寧に過ごしたくなる空気感がありました。朝の白湯時間やサウナ後の水分補給にも大活躍です。

浴衣と巾着袋、草履も清潔にセットされており、館内移動が快適なのはもちろん、外出時にもそのまま使えるデザイン性の高さが魅力。こういった細かい配慮からも、宿のホスピタリティの高さが伝わってきます。

部屋の中に専用のサウナが備え付けられていて、最初に目に入ったのがこのシャワーブース。壁は無機質なモルタル調で、黒のシャワー金具とのコントラストが美しく、まるでデザイナーズホテルのような雰囲気です。

サウナルームはシャワースペースに隣接していて、ガラス扉で仕切られています。扉を開けるとふわっと木の香りが立ちのぼり、まだ使っていないのにもう癒されてしまうような感覚に。

ゆー

ここはドラマサ道でなかちゃんさん(原田泰造さん)が横になっていたところです。

中は2人〜3人なら入れるサイズ感。ベンチは片側のみで、足元から天井まで緩やかに曲線を描いた木の造りがとても美しく、こもり感がありながらも圧迫感はありません。天井は高めに設計されていて、熱がこもりすぎず呼吸がしやすいのも◎。長めにじっくり入っても息苦しさは感じませんでした。

ヒーターはサウナストーン式で、しっかり熱を保っていて本格的。ロウリュ用のラドルと桶も用意されていて、自分のタイミングで好きなだけ蒸気を楽しめます。

石は大きめの溶岩石が使われており、水をかけた瞬間、じゅわっと音を立てて一気に蒸気が広がります。部屋の広さに対してちょうど良い立ち上がりで、短時間でもしっかり発汗できるセッティング。

床はすのこでしっかりと乾いており、素足で歩いても不快感なし。細かいところまで手入れが行き届いている印象で、清潔感も申し分なしです。桶の中には水が張られていて、ラドルで自分好みのタイミングでロウリュ可能。水の音、蒸気の広がり、木の香りが一体となって、コンパクトながらかなり満足度の高いサウナ体験ができました。

シャワーブースに水を溜めると、水風呂の出来上がり。プライベートサウナなので、普段はNGとされている汗流しカットも今回ばかりはOKです。

シャワーブースには、シャンプー・コンディショナー・ボディソープが3本セットで設置されていて、どれもホテル仕様の香り良いアメニティ。サウナで汗を流したあと、そのまま全身さっぱりできるのがありがたいです。

サウナ付き客室 205号室

今回はドラマ『サ道』で使用された206号室に宿泊しましたが、御船山楽園ホテルにはもう一つサウナ付き客室があります。それがこの205号室

内装の雰囲気は206号室と近く、木材を大胆に使ったやわらかなデザインや、広い窓から望む御船山の景色は共通しています。一方で、サウナや水風呂のつくりはそれぞれ異なっており、205号室ならではの魅力も感じられます。

サウナ室は温もりを感じるウッド調で、木の香りが広がる心地良い空間。ただ、広さに関しては101号室の方がやや余裕があり、よりのびのびと楽しめそうです。

ゆー

ゆったりと蒸されたい方には101号室が良いかなと個人的に感じました。

特にサウナ室は2段のベンチ仕様で、空間全体にゆとりがあり、より“こもり感”のある設計。

水風呂は白を基調とした作りになっています。写真を通してもその洗練された空間美や、導線の工夫ははっきり伝わってきました。

次回はぜひこの205号室にも宿泊して、異なるサウナ体験を味わってみたいと思える、そんな一室です。

御船山楽園ホテルでの食体験 季節のおまかせ会席 【プレミアム】

御船山楽園ホテルの夕食は、四季折々の地元食材を活かした会席料理。自然豊かな佐賀・武雄の恵みを、目でも舌でも楽しめる内容で、滞在の中でも特に満足度の高いひとときでした。

この日のコースは、季節の前菜から始まり、玄界灘産の鮮魚を使ったお造り、滋味深い茶碗蒸し、地元ブランド肉を活かしたメイン、そして〆にはカレーやご飯もの、デザートまでしっかり構成されたフルコース。特に印象的だったのは、佐賀牛の旨味を活かした料理で、素材そのものの質の高さを実感しました。

夕食:季節のおまかせ会席 【プレミアム】

盛り付けや器使いも美しく、一品ごとにテーマ性や季節感があり、視覚的な楽しさも抜群です。料理の説明も一皿ずつ丁寧にしてくれるので、味の背景や地元の食文化への理解も深まりました。

食事は館内の御食事処で提供され、席の間隔も広く取られていて、落ち着いた空間でゆっくり味わえます。窓の外には御船山の緑が広がり、夕暮れの時間帯には刻一刻と変わる景色もまたごちそうの一部。派手さはないけれど、静かで品のある贅沢を感じられる時間でした。

全体のボリュームは「満腹すぎず、でも物足りなくない」絶妙なラインで、男女問わずちょうどいい量だと感じました。最後のデザートも甘すぎず、食後の余韻を壊さないやさしい味わい。ゆったりとしたペースで運ばれてくるので、心も自然と整っていくような感覚に。

なお、アレルギー対応や食事制限への配慮も可能で、予約時に相談すれば柔軟に対応してくれます。小さな子ども向けのメニューや備品も用意されていますが、2022年以降は未就学児の宿泊ができないため、事前確認が必要です。

御船山楽園ホテルらかんの湯 施設情報

最後に施設情報を改めてまとめます。

項目内容
施設名御船山楽園ホテル「らかんの湯」
住所〒843-0022 佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100
アクセスJR「武雄温泉駅」からタクシーで約5分/長崎道「武雄北方IC」から車で約15分
電話番号0954-23-3131
営業時間日帰り:完全予約制(時間変動)/宿泊者:滞在中利用可能(男女入替制)
料金日帰り:3,850円〜(時間制)/宿泊者は無料利用可
駐車場無料駐車場あり(予約不要)
併設施設サウナ、大浴場、露天風呂、喫茶室、チームラボ常設展示、展望休憩室、プライベートサウナ付客室

施設付近の地図はこちらです。

御船山楽園ホテルらかんの湯 宿泊まとめ

サウナシュラン三冠を誇る「らかんの湯」と、御船山楽園ホテルの静謐で洗練された空間。サウナを愛するすべての人にとって、この場所はまさに“聖地”でした。

部屋付きの薪サウナで自分だけのととのい時間を過ごし、地元食材をふんだんに使った会席料理を味わい、夜はチームラボのアートと自然に包まれる——。そのすべてが特別で、記憶に残る滞在となりました。

初めて訪れる方でも、上質で静かな空間に自然と身を委ねられるよう設計されていて、初心者からサウナ上級者まで誰もが“ここでしか味わえない整い”を体感できるはずです。

次はもう一つのサウナ付き客室「205号室」にも泊まってみたい……そんな風に、また来たいと思わせてくれる、唯一無二の場所。

自然、建築、アート、食、サウナ——すべてが調和した御船山楽園ホテルは、心と身体を解きほぐす「ととのいの楽園」でした。

ゆー

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ゆー@サウナー×ブロガー

ゆー

『サウナに挑戦する人が、最良のサウナ施設に出会えるように』をモットーに発信活動をしているブロガー。都内在住の30代会社員。サウナスパ健康アドバイザー。Yahoo!Japanクリエイター。「湯どんぶり栄湯」日本初銭湯コミュニティ「湯どんぶりの待合室」運営お手伝い中。サウナに行きたくなるツイートとおすすめ施設を日々Twitterで発信。

-Trip